パソコン教室で働いていると、
「初心者だから仕方がない」と一言では片づけられない
共通した困りごとがあることに気づきます。
私自身、パソコン教室で4年間勤務する中で、
多くの初心者の方と接してきましたが、
特に「超初心者」と呼ばれる方がつまずくポイントは、
実はある程度決まっていると感じています。
なんとなく「全部が難しい」と思われがちなパソコン操作ですが、
実際にはよくある困りごとは5つほどに絞られることがほとんどです。
この記事では、
パソコン教室の現場で実際によく見られる
超初心者の方が困りやすいケースを、
専門用語を使わずにご紹介していきます。
※本記事の内容は、筆者の勤務経験をもとにした一般的な例であり、
すべての方に当てはまるものではありません。
パソコン初心者がつまずきやすい理由
パソコン初心者の方の中には、
少し操作を間違えただけで「パソコンが壊れてしまうのではないか」
と強く不安を感じる方が少なくありません。
パソコン教室で4年間勤務する中で特に感じたのは、
「間違えたら取り返しがつかない」
「自分が何か壊してしまうのではないか」
と考えてしまい、操作そのものを怖がってしまう方が多いという点です。
また、画面が少し変わっただけでも、
「元に戻せなくなったのではないか」
「何をしていいか分からない」
と感じ、一時的にパニック状態になってしまうケースも教室ではよく見られます。
こうした不安から、
「とにかく触らないようにする」
「間違えないように慎重になりすぎる」
という行動につながり、結果として操作が覚えにくくなってしまう方も多いように感じました。
これらはすべて、
パソコンに慣れていない初心者の方にとって、とても自然な反応であり、
決して珍しいことではありません。
困りごと① マウス操作がうまくできない
まず、マウス操作についてですが、
パソコン教室でこれまで多くの初心者の方を見てきた中で、
特につまずきやすいポイントはいくつか共通しています。
具体的には、
- 右クリックと左クリックの違いが分からない
- クリックとダブルクリックの使い分けが分からない
- マウスを押したまま動かす「ドラッグ操作」が理解できない
といった点です。
中でも多いのが、
ドラッグ操作が分からず、作業が止まってしまうケースです。
ドラッグ操作は、
文字の選択やファイルの移動など、
授業の中でも自然に出てくる操作ですが、
ここで混乱してしまうと、授業内容以前に操作そのものが進まなくなる
という方も少なくありません。
その結果、
「自分はもうついていけないのではないか」
と感じてしまい、操作への不安が強くなる方もいるように感じました。
困りごと② 文字入力や変換でつまずくケース
パソコン教室で見てきた中でまず多いのは、
キーボード左上にある「半角/全角」キーの役割が分からない
というケースです。

このキーを押すことで入力モードが切り替わることを知らず、
「急に英数字になった」
「ひらがなが打てなくなった」
と混乱してしまう方も少なくありません。
また、画面右下に表示されている入力モードのメニューを
右クリックすることで切り替えられることが分からない
という方も多く見られます。

そこには、
- ひらがな
- 全角カタカナ
- 半角カタカナ
- 全角英数字
- 半角英数字
といった項目がありますが、
この違いや使い分けが分からず、
入力そのものが止まってしまうケースもあります。
さらに、
文字の読み方が分からないときに使える
IMEパッドの存在や使い方が分からない
という方も少なくありません。
変換についても、
- スペースキーで変換する方法
- メニューから直接切り替える方法
といった複数のやり方があること自体が分からないため、
「どれを使えばいいのか分からない」
と感じてしまう方が多いように思います。
入力自体については、
普段からGoogle検索やネットショッピングなどで
文字を打つ機会がある方も多く、
ある程度慣れているケースもあります。
しかし、
いざ「変換」を意識する場面になると、
キーボード・スペースキー・画面右下のメニューなど、
それぞれの役割の違いが分からず混乱してしまう
というのが、4年間教室で見てきた中で強く感じた点です。
困りごと③ 画面が変わって戻せない
パソコン初心者の方がよく混乱してしまうのが、
画面の表示が変わってしまい、元に戻せなくなるケースです。
パソコン教室で見てきた中では、
- 右上の「最小化」を押してしまい、画面が消えたと思ってしまう
- 画面を分割(2画面表示)した状態になり、元に戻せなくなる
- 間違えて「×(閉じる)」を押してしまい、画面がなくなって驚く
といった場面がよく見られました。
特に初心者の方の場合、
自分では意図していない操作で画面が変わると、
「何か取り返しのつかないことをしてしまったのではないか」
と強く不安を感じてしまう方も多いように思います。
また、
最小化した画面がどこに行ったのか分からなくなり、
操作が止まってしまう
というケースも少なくありません。
市民パソコン塾では、
2画面を使った学習を行うことが多く、
右側の画面に別のページを表示する場面もあります。
しかし初心者の方の中には、
「画面をどうやって移動させるのか分からない」
「なぜ画面が2つに分かれているのか分からない」
と感じ、画面操作そのものに戸惑ってしまう方もいました。
こうした画面操作の混乱は、
操作に慣れていない初心者の方にとっては
ごく自然なものであり、珍しいことではありません。
困りごと④「保存したはずのファイルが見つからない」
― 実は「保存の仕方が分からない」ケースが圧倒的に多い
パソコン初心者の方で、
圧倒的に多いと感じるのが「保存の仕方が分からない」ケースです。
私は現在、2つのパソコン教室で講師をしていますが、
どちらの教室でも、必ずと言っていいほど同じ悩みが出てきます。
それは、
- 保存はしたつもり
- でもフォルダに入っていない
- どこに保存されたのか分からない
という状態です。
初心者の方の場合、
- フォルダを開くこと自体が分からない
- フォルダを開いてから名前を付けて保存する、という流れが分からない
- 結果として、ファイルを「直下(そのままの場所)」に置いてしまう
といったケースが非常に多く見られます。
ご本人の中では、
「保存ボタンを押した=きちんと保存できた」
という認識があるため、
後からファイルが見つからないと、
「作った文章がなくなってしまった」
「全部消えてしまったのではないか」
と強い不安を感じてしまう方も少なくありません。
実際に、
先日も教室で教えている生徒さんから
「保存したはずの文章が見つからない」
というご相談を受けたことがありました。
そのときは、時間をかけて一緒に確認し、
最終的には無事にファイルを見つけることができましたが、
ご本人は見つかるまでの間、
「もう戻らないのではないか」
ととても不安そうな様子でした。
このように、
保存場所やフォルダの考え方が分からないことで、
「保存したはずなのに見つからない」
という状況は、パソコン教室の現場では日常的に起こっています。
困りごと⑤ 保存した場所までたどり着けない
― ディレクトリー(場所の概念)が分からない
保存そのものも初心者の方がつまずきやすいポイントですが、
それ以上に混乱が起きやすいのが、
「次のレッスンのときに、保存した場所まで行けない」
というケースです。
パソコン教室で見てきた中では、
- 前回きちんと保存したはず
- でも次に開こうとすると見つからない
- どこを探せばいいのか分からない
という状況で、
操作が止まってしまう方が少なくありません。
初心者の方の場合、
ディレクトリー(保存場所・階層)という考え方自体が分からず、
- 今、自分がどこの場所を見ているのか
- どのフォルダの中にいるのか
- どこに保存したものを探しているのか
といったことが分からなくなってしまうことがあります。
そのため、
画面に表示されている内容だけを頼りに操作をしてしまい、
「見えていない=なくなった」
「どこかに消えてしまった」
と感じてしまう方も多いように感じました。
実際には、
ファイルが消えているわけではなく、
「今、自分がどこにいるのか分からない」状態に
なっているだけ、というケースがほとんどです。
このように、
保存した先までたどり着けないという困りごとは、
操作ミスというよりも、
パソコンの「場所の考え方」にまだ慣れていないことが
大きな原因になっていると感じています。
初心者の方へ ― 教室で感じてきたこと
私自身、4年間パソコン教室で講師をしてきて、
「自分にとっては当たり前になっていること」が、
初心者の方にとってはまったく別物に感じられている、
という場面を何度も見てきました。
その感覚は、
洋裁をやったことのない人が、初めてミシンを使うとき
に少し似ているように感じています。
ミシンも、
糸の通し方を間違えたり、
上糸と下糸の仕組みを知らないまま使ったりすると、
思うように縫えなかったり、
場合によっては針が折れてしまうこともあります。
そうした不安があると、
「触るのが怖い」「壊してしまいそう」
と感じるのも、とても自然なことだと思います。
パソコン操作で感じる不安も、
それに近いものがあるのではないかと、
教室で多くの方を見てきて感じました。
ただ、ミシンもパソコンも共通しているのは、
慣れれば誰でも使えるようになる道具だということです。
特別に難しいものではなく、
使い続ける中で少しずつ身についていくものだと感じています。
一方で、
使わなければ、ずっと使えないままになってしまう
という点も、強く感じてきました。
だからこそ、
「まったく使えない」「分からない」
という状態は、恥ずかしいことでも、
能力の問題でもありません。
使ったことがなければ、使えない。
それは、とても当たり前のことだと思います。
もし、
「パソコンを使えるようになりたい」
「入力したい」「資料を作りたい」
と思ったときに、
今回ご紹介したような5つのつまずきに出会ったとしても、
それはゼロから始める過程で自然に起こることです。
「こういうところでつまずく人が多いんだ」
と知っていただくだけでも、
少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

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